SESエンジニアの年収は本当に低い?給料が上がりにくい理由を、多重下請け構造・案件単価・還元率・担当工程などから解説。SESで働く経験者エンジニアが年収アップを目指す方法や転職を考えるタイミングも紹介します。
SESとして数年働いているのに、
「思ったより給料が上がらない」
「同じ現場のエンジニアと仕事内容は変わらないのに年収差がある」
「このままSESを続けて年収は上がるの?」
と感じている方もいるでしょう。
結論からいうと、SESだから必ず年収が低いわけではありません。
SES企業でも高い年収を得ているエンジニアはいます。
一方で、SESでは商流や案件単価、会社の給与制度などによって、スキルアップしても給料へ反映されにくいケースがあるのも事実です。現在の検索上位でも、多重下請け構造・還元率・案件単価・担当工程などが年収を左右する要因として共通して挙げられています。
SESで年収を上げたいなら、「もっと勉強する」だけではなく、自分のスキル・案件単価・商流・評価制度・市場価値をセットで確認することが大切です。
この記事では、SESエンジニアの給料が上がりにくい理由と、経験者が年収アップを目指す具体的な方法を解説します。
まず知っておきたいのが、SESエンジニアだけを対象にした公的な平均年収統計は確認しにくいという点です。
そのため、「SESの平均年収は○○万円」と断定する場合は、民間企業の保有求人や転職実績などをもとにした数値であることに注意が必要です。
また、SESといっても、
運用・監視
保守
開発
インフラ構築
詳細設計
基本設計
PM・PL
など仕事内容は大きく異なります。
実務経験1〜2年のエンジニアと、設計やマネジメントまで担当できる経験者では年収も変わります。
そのため、
「SESだから年収が低い」
と判断するより、
「自分の経験・スキルに対して現在の年収が適正なのか」
を見ることが重要です。
SESの年収を考えるうえで知っておきたいのが、IT業界の商流です。
案件によっては、
発注企業
↓
元請け企業
↓
二次請け
↓
三次請け
↓
SES企業
というように複数の企業が関わります。
商流が深くなれば、それぞれの企業に売上や利益が必要になります。
結果として、最終的にSES企業が受け取る金額が小さくなり、エンジニアの給与へ反映できる範囲も限られる場合があります。
検索上位でも、多重下請け構造はSESの給与が伸びにくくなる代表的な要因として扱われています。SES Labo
同じような仕事をしていても、「どの商流で案件に参画しているか」によって会社が受け取る金額が異なる可能性があります。
SESでは、エンジニアが案件へ参画することで会社に売上が発生します。
例えば、自分のスキルが上がって案件単価が上がったとしても、必ず同じ割合で給与が上がるとは限りません。
会社によって、
給与制度
評価制度
賞与
昇給基準
会社側の利益
などが異なるからです。
「案件単価は上がっているのに給料がほとんど変わらない」という場合は、会社の評価制度を確認する必要があります。
SES企業では、案件によって得た売上がそのままエンジニアの給与になるわけではありません。
会社側も、
社会保険料
採用費
営業費
教育費
待機リスク
管理部門の費用
などを負担しています。
そのうえで給与が決まります。
そのため、単純に「案件単価-給料=会社に取られている金額」と考えるのは正確ではありません。
一方で、給与への反映方法や評価制度は企業ごとの差が大きいポイントです。
年収が上がらない原因が会社だけとは限りません。
何年働いても、
監視
→ 監視
テスト
→ テスト
保守
→ 保守
という状態が続けば、転職市場で評価される経験を増やしにくくなる場合があります。
例えばインフラなら、
監視・運用
↓
保守
↓
構築
↓
設計
開発なら、
テスト
↓
実装
↓
詳細設計
↓
基本設計
と担当できる範囲を広げることが、キャリアアップの一つの方向性です。
経験年数が増えれば、自動的に市場価値が上がるわけではありません。
例えば「実務経験5年」でも、
同じ作業を5年間続けた人
と、
実装→設計→リーダーと担当範囲を広げた人
では経験内容が違います。
転職市場では年数だけでなく、
技術
担当工程
プロジェクト規模
チームでの役割
マネジメント経験
課題解決経験
なども評価材料になります。
「何年働いたか」だけではなく、「その期間で何ができるようになったか」を確認しましょう。
SESでは客先で働くため、自社の上司が普段の働き方を直接見ていないケースがあります。
例えば現場では、
「後輩をフォローしている」
「難しい機能を任されている」
「顧客から高く評価されている」
という状態でも、自社の評価制度とうまく連動していなければ昇給につながらない可能性があります。
だからこそ、自分の成果を定期的に整理しておくことも重要です。
スキルアップしても、現在の会社の給与制度そのものに上限があれば、大幅な年収アップは難しくなります。
例えば、
現在:年収400万円
↓
設計経験を積む
↓
案件単価が上がる
↓
それでも年収410万円
という状態が続くのであれば、自分のスキルだけでなく会社側の給与制度も確認する必要があります。
SESでも年収を伸ばしている人には、いくつか共通するポイントがあります。
単純な作業だけではなく、設計や要件整理など上流へ担当範囲を広げることで、対応できる求人や案件も増えていきます。
技術は「流行っているから」という理由だけで選ぶ必要はありません。
重要なのは、自分のキャリアと求人需要がつながっていることです。
例えばバックエンドなら、現在使っている言語・フレームワークの専門性を深める。
インフラなら、オンプレだけでなくクラウド環境の設計・構築経験を増やす。
このように現在の経験から一段上へ進む方が、キャリアとして説明しやすくなります。
経験者エンジニアになるほど、技術力だけではなく、
顧客折衝
要件整理
コードレビュー
後輩育成
チームリーダー
プロジェクト管理
などの経験も強みになります。
「自分で開発できる」から、
「チームやプロジェクトへ貢献できる」
へ広げていくイメージです。
最初にやるべきなのは、資格を取ることでも転職することでもありません。
まず、
自分の経験なら、転職市場でどのくらいの求人を狙えるのか
を確認します。
例えば、
実務経験3年
Java:3年
Spring Boot:2年
詳細設計:2年
基本設計:1年
AWS:1年
という経験があるなら、同じようなスキルを求める求人の年収帯を確認します。
そこで現在の年収との差を見るわけです。
可能であれば、
自分の案件単価
昇給条件
評価方法
賞与の決まり方
次の給与レンジ
などを確認しましょう。
会社によって制度は異なりますが、「何をすれば年収が上がるのか」が分からない状態ではキャリアプランも立てにくくなります。
現在の会社でキャリアアップできるなら、すぐに転職する必要はありません。
例えば、
実装 → 詳細設計
構築 → 設計
メンバー → リーダー
と経験を広げられるなら、その実績が次の昇給や転職でも材料になります。
資格や技術をやみくもに増やすのではなく、次に狙うポジションから逆算して学ぶことが大切です。
例えばAWSを勉強する場合も、
「資格を取る」
だけで終わらず、
「AWS環境の構築を担当する」
「設計まで経験する」
と実務へつなげることで評価材料にしやすくなります。
現在の会社で、
昇給がほとんどない
上流工程へ進めない
希望案件に入れない
評価制度が不透明
市場価値と年収に大きな差がある
のであれば、転職も選択肢です。
ただし、
「SESを辞めれば年収が上がる」
とは限りません。
別のSES企業、自社開発、SIer、社内SEなど、転職先によって仕事内容や給与は変わります。
大切なのは、SESかどうかではなく、自分の経験をより高く評価してくれる環境を探すことです。
転職による年収アップ幅は人によって異なります。
そのため、
「SESから自社開発なら○万円上がる」
「SIerなら必ず年収600万円になる」
といった考え方は避けましょう。
一方で、現在より経験を評価される企業へ転職して、大幅に年収が上がるケースもあります。
テックゴーから提供されている転職成功例では、
SES(PM)
500万円
↓
ITコンサル
900万円
+400万円
SES(バックエンド)
350万円
↓
プライムSIer
650万円
+300万円
SES(保守・運用)
350万円
↓
プライムSIer(インフラ)
650万円
+300万円
SES(開発)
520万円
↓
自社開発
750万円
+230万円
という事例があります。
もちろん、これらは個別の転職成功例であり、同じ年収アップを保証するものではありません。
ただ、ここから分かるのは、SESという経歴そのものより、SESで何を経験してきたかが重要ということです。
年収が低いという理由だけで、すぐ転職する必要はありません。
まず確認したいのは次の3点です。
① 今後1〜2年で経験できる仕事
② 昇給する可能性
③ 転職市場での自分の評価
例えば現在年収400万円でも、
「半年後から基本設計へ入れる」
「リーダー候補になっている」
「明確な昇給基準がある」
のであれば、現在の会社で経験を積む選択肢もあります。
反対に、
3年後も仕事内容が変わらない
昇給条件が分からない
希望案件へ移れない
という状態なら、転職市場を確認する意味は大きくなります。
「今の年収が低いか」だけでなく、「この会社にあと2年いたとき、年収と市場価値がどうなっているか」で判断しましょう。
年収アップを考えるなら、自分の市場価値を把握することが重要です。
整理する項目は、
経験年数
+
使用技術
+
担当工程
+
役割
+
成果
です。
例えば、
「Java経験3年」
だけではなく、
Java/Spring Bootを3年経験し、基本設計から実装・テストまで担当。6名チームでバックエンド開発を担当
まで整理します。
その状態で求人を見ると、
「今の年収は妥当なのか」
「年収500万円を狙えるのか」
「自社開発やプライムSIerへ転職できるのか」
といったことを判断しやすくなります。
経験者エンジニア向けの求人については、**「テックゴーの求人にはどんな企業がある?」**で実際の求人例を紹介しています。
年収アップの具体例を確認したい方は、**「テックゴーの転職成功事例」**も参考にしてください。
SESだから必ず低いわけではありません。
SESの年収は、経験・スキルだけでなく、商流・案件単価・担当工程・会社の給与制度などにも左右されます。検索上位でも、多重下請け構造や還元率、案件単価などが給与を左右する要因として共通して挙げられています。
可能性はあります。
ただし「SESで何年働けば500万円」という基準ではありません。設計・開発・クラウド・リーダーなどの経験や、会社の給与制度、案件単価によって異なります。
すぐに転職する必要はありません。
まず現在の会社で今後どんな経験を積めるのか、昇給条件はどうなっているのか、自分の市場価値はいくらなのかを確認しましょう。
必ず上がるわけではありません。
自社開発という企業形態だけで年収が決まるわけではなく、経験・スキル・役割・企業の給与制度などによって変わります。
担当工程を広げる、市場で評価される実務経験を積む、案件単価や評価制度を確認する、自分の市場価値を把握する、といった方法があります。
現在の会社では年収アップが難しい場合は、転職も選択肢になります。
SESで給料が上がらない理由は一つではありません。
多重下請け構造
案件単価
給与への還元方法
担当工程
スキル
評価制度
市場価値
など、複数の要因が関係します。
そのため、
「SESだから給料が低い」
と決めつけるのではなく、
なぜ自分の年収が上がっていないのか
を特定することが最初のステップです。
現在の会社で市場価値の高い経験を積めるなら残る。経験を積んでも給与へ反映されないなら転職市場を確認する。この2つを比較して判断することが大切です。
年収だけを見るのではなく、2〜3年後のスキル・担当工程・市場価値まで含めてキャリアを考えることが、経験者エンジニアの年収アップにつながります。