SESに将来性はある?経験者エンジニア向けに、SESで働き続けるメリットとリスク、将来性を高めるために必要なスキルを解説。自社開発・SIer・社内SE・フリーランスなど、今後のキャリアの選択肢も紹介します。
「SESでこのまま働き続けても大丈夫?」
「年齢が上がってもSESで働ける?」
「AIが普及したらSESの仕事は減る?」
SESエンジニアとして数年働いていると、将来のキャリアに不安を感じることがあります。
結論からいうと、SESという働き方そのものがすぐになくなるとは考えにくい一方、SESに在籍しているだけで将来が安定するわけでもありません。
経済産業省のIT人材に関する資料でも、デジタル人材の育成・確保は継続的な課題として扱われています。企業側でIT人材が必要とされる状況では、外部のエンジニアやIT企業を活用する需要も残ると考えられます。
しかし重要なのは、SESという雇用・契約形態よりも自分自身にどんな実務経験が蓄積されているかです。
SESの将来性を考えるときは「SESがなくなるか」より、「3年後も転職市場で評価される経験を積めているか」を確認することが重要です。
この記事では、SESの将来性、このまま働き続けるリスク、将来性を高める方法、今後考えられるキャリアの選択肢を解説します。
SESの将来性を考えるうえで、まず分けて考えたいのが、
SESというビジネスの将来性
と
SESエンジニア個人の将来性
です。
この2つは同じではありません。
企業のDX、クラウド活用、システム開発・保守などではIT人材が必要です。
すべての企業が必要なエンジニアを自社だけで確保できるとは限らないため、外部のIT人材を活用するニーズもあります。
一方で、SES企業で働いているからといって、自動的にエンジニアとしての市場価値が上がるわけではありません。
例えば同じ「SES経験5年」でも、
Aさん
監視・定型作業を5年間担当
Bさん
運用
↓
構築
↓
設計
↓
リーダー
と経験を広げた
という2人では、転職時に説明できる経験が大きく異なります。
つまりSESの将来性を考えるなら、業界全体だけを見るのではなく、自分のキャリアがどう成長しているかを見る必要があります。
現在では、さまざまな業界でITシステムが利用されています。
例えば、
・金融
・製造
・物流
・小売
・通信
・医療
・公共
などです。
新しいシステムの開発だけでなく、既存システムの保守・運用、クラウド移行、セキュリティ対策なども必要になります。
IT人材の確保や育成が企業にとって重要な課題である状況では、外部エンジニアを活用する需要も考えられます。
ITシステムには、
企画
↓
設計
↓
開発
↓
テスト
↓
運用
↓
保守・改善
という長い工程があります。
新規開発が終わった後にも、運用・保守・追加開発などが必要です。
そのため、ITエンジニアが必要になる仕事は新規開発だけではありません。
クラウド、セキュリティ、データ、AIなど、IT技術は変化しています。
企業がすべての技術領域の専門人材を常時社内に抱えるとは限りません。
プロジェクトや必要な技術に応じて、外部の専門人材を活用するケースもあります。
SES自体がなくならなくても、キャリアの作り方によっては将来の選択肢が狭くなる可能性があります。
特に確認したいのが次の5つです。
最も注意したいのが、経験年数だけ増えて仕事内容が変わらない状態です。
例えば、
1年目:テスト
2年目:テスト
3年目:テスト
4年目:テスト
となっている場合です。
もちろんテストにも専門性はあります。
問題なのは、本人が開発・設計へ進みたいのに、希望する経験を積めていないケースです。
「SES経験5年」よりも、「5年間で何ができるようになったか」の方がキャリアでは重要です。
SESでは、
・案件単価
・商流
・会社の給与制度
・評価制度
・担当工程
などによって給与が変わります。
スキルが上がっていても、それが給与へ十分反映されない会社もあります。
例えば、
実装ができるようになった
↓
設計も担当できるようになった
↓
後輩指導も担当
となっているのに年収がほとんど変わらない場合は、現在の評価制度を確認した方がよいでしょう。
SESでは、会社が保有する案件の中から配属先が決まることがあります。
自分は、
「AWSの設計を経験したい」
と思っていても、
運用案件しかない。
あるいは、
「Javaの開発を続けたい」
と思っていても、別の業務へ配属される可能性があります。
希望するキャリアと案件が一致しているなら問題ありません。
しかし、何年も希望する経験を積めない状態が続くなら、環境を見直す必要があります。
経験年数が増えると、
「指示された作業をこなせる」
だけではなく、
・設計できる
・顧客と調整できる
・後輩を育成できる
・チームをまとめられる
・プロジェクトを管理できる
など、より広い役割を求める求人も増えていきます。
20代前半と30代以降では、同じ経験年数・同じポジションだけを求められるとは限りません。
そのため、経験年数に合わせて役割も広げていくことが重要です。
現在の現場で評価されているからといって、転職市場でも同じ評価になるとは限りません。
例えば社内では、
「このシステムについて一番詳しい」
という状態でも、その知識が特定のシステムでしか使えなければ、転職市場では評価のされ方が変わる可能性があります。
逆に、
・Javaでの設計・開発
・AWS設計・構築
・チームリーダー
・要件定義
・PM
など、別の会社でも活かしやすい経験を積んでいれば、転職時にも説明しやすくなります。
AIの普及も、SESの将来性を考えるうえで気になるポイントです。
生成AIによって、
・コード生成
・テストコード作成
・ドキュメント作成
・コードレビュー支援
・調査
など、エンジニア業務の一部は効率化されています。
だからといって、
「AIが普及する=エンジニアが不要になる」
と単純に考える必要はありません。
むしろ重要になるのは、AIを利用しながら、
何を作るべきか
どんな設計にするか
顧客の課題をどう解決するか
生成されたコードが適切か
を判断できることです。
AI時代では「作業をするだけ」ではなく、設計・判断・改善・コミュニケーションまで担当できるエンジニアを目指すことが重要です。
開発エンジニアなら、
テスト
↓
実装
↓
詳細設計
↓
基本設計
↓
要件定義
と担当範囲を広げていく方法があります。
インフラなら、
監視
↓
運用・保守
↓
構築
↓
設計
↓
要件定義
というキャリアが考えられます。
工程だけでなく、特定領域の専門性を高めることも重要です。
例えば、
「Javaを使ったことがある」
から、
Java/Spring Bootを使って設計から実装まで担当できる
へ。
「AWSを触ったことがある」
から、
AWS環境を設計・構築できる
へ。
このように、「経験あり」から一人で担当できる領域を増やすことが市場価値につながります。
経験を積んだエンジニアでは、
・顧客折衝
・コードレビュー
・後輩育成
・進捗管理
・要件整理
・プロジェクト管理
などもキャリアの材料になります。
将来的にPL・PMやITコンサルを目指すなら、特に重要になる経験です。
「SESは将来性がないから、すぐ辞めた方がいい」という話ではありません。
現在の会社で、
・希望する案件を選べる
・年収が上がっている
・新しい技術を経験できる
・上流工程へ進める
・リーダー経験を積める
・キャリア相談ができる
のであれば、そのままSESでキャリアアップする方法もあります。
SESには複数の企業・業界・技術を経験できるメリットもあります。
判断基準は「SESかどうか」ではなく、「現在の環境で市場価値が上がっているか」です。
現在のSES企業で希望するキャリアを作れない場合は、環境を変える方法があります。
一つのサービスへ長く関わりたい人なら、自社開発が候補になります。
自社サービスの、
・設計
・開発
・リリース
・運用
・改善
まで継続的に関われる企業があります。
SESで開発・設計・チーム開発を経験しているなら、その経験を活かせる可能性があります。
上流工程へ進みたい人ならSIerも選択肢です。
特にプライムSIerでは、
・要件定義
・基本設計
・顧客折衝
・ベンダー管理
・PL・PM
などへキャリアを広げられるポジションがあります。
SESで設計・開発・インフラ構築などを経験している人なら、その経験を土台に次の工程を目指せます。
自社のIT環境に長く関わりたい場合は、社内SEも候補です。
仕事内容は企業によって異なりますが、
・システム企画
・インフラ
・セキュリティ
・ベンダー管理
・DX推進
などがあります。
ただし、社内SEは企業ごとの仕事内容の差が大きいため、求人内容を詳しく確認することが重要です。
SESですでに設計・顧客折衝・リーダーなどを経験しているなら、さらに上流へ進む方法もあります。
例えば、
エンジニア
↓
PL
↓
PM
↓
ITコンサル
というキャリアです。
技術だけでなく、顧客の課題を整理してプロジェクトを進める能力が必要になります。
専門性と実務経験が十分にあるなら、フリーランスも選択肢です。
会社員より案件選択の自由度を高められる可能性があります。
一方で、
・案件獲得
・契約
・収入の変動
・税金
・社会保険
などを自分で管理する必要があります。
そのため、「SESが嫌だから」という理由だけで独立するのではなく、経験・スキル・資金面まで考えて判断しましょう。
SESから転職しただけで、必ず年収が上がるわけではありません。
重要なのは、これまでの経験を現在より高く評価してくれる企業へ転職できるかです。
例えば、テックゴーから提供されている転職成功事例には、
SES(バックエンド)
年収350万円
↓
プライムSIer
年収650万円
+300万円
という事例があります。
また、
SES(開発)
年収520万円
↓
自社開発
年収750万円
+230万円
という事例もあります。
さらに、
SES(PM)
年収500万円
↓
ITコンサル
年収900万円
+400万円
という事例もあります。
これらは個別の転職成功例であり、同じ年収アップを保証するものではありません。
しかし、SESで積んだ経験を活かして、自社開発・プライムSIer・ITコンサルなどへキャリアを広げられるケースがあることは分かります。
今すぐ転職すべきか迷っているなら、次の5つを確認してみましょう。
① 1年前よりできる仕事は増えたか?
② 来年は新しい工程を経験できそうか?
③ 年収はスキルアップに合わせて上がっているか?
④ 3年後にやりたい仕事へ近づいているか?
⑤ 今の経験は別の会社でも評価されそうか?
この5つにほとんど「YES」と答えられるなら、現在の会社で経験を積む選択肢があります。
反対に、
仕事内容が変わらない
給与も変わらない
希望案件にも入れない
次のキャリアが見えない
という状態が続いているなら、転職市場を確認するタイミングかもしれません。
将来が不安だからといって、いきなり会社を辞める必要はありません。
まず自分の経験を、
経験年数
+
使用技術
+
担当工程
+
役割
+
成果
で整理します。
例えば、
Java経験4年
Spring Boot経験3年
基本設計2年
AWS経験1年
後輩レビュー経験あり
という状態なら、この経験でどのような求人を狙えるのか確認します。
そこで、
「自社開発を狙える」
「プライムSIerで上流工程へ進めそう」
「現在より高い年収帯の求人がある」
と分かれば、具体的なキャリアを考えやすくなります。
経験者エンジニア向けの求人については、**「テックゴーの求人にはどんな企業がある?」**でも紹介しています。
年収・キャリアアップの具体例を確認したい場合は、**「テックゴーの転職成功事例」**も参考にしてください。
SESという働き方がすぐになくなるとは考えにくい一方、SESに所属しているだけで市場価値が上がるわけではありません。
どんな技術・工程・役割を経験できるかが重要です。
一律に「○歳まで」という基準はありません。
ただし、経験年数が増えるにつれて、設計・専門技術・顧客対応・マネジメントなど、より広い経験が求められる求人もあります。
年齢そのものより、経験に応じたスキルを積めているかを確認しましょう。
AIによってエンジニア業務の一部が効率化される可能性はありますが、システムの要件整理・設計・判断・顧客との調整など、人が担う業務もあります。
AIを使いながら生産性を高められるエンジニアを目指すことが重要です。
現在の会社で今後どんな経験を積めるかを確認しましょう。
希望する技術・工程を経験でき、年収や役割も上がっているなら、SESを続ける選択肢もあります。
自社開発・SIer・社内SE・別のSES・ITコンサルなどが候補になります。
十分な専門性と実務経験があれば、フリーランスも選択肢です。
SESという働き方そのものが、すぐになくなると決まっているわけではありません。
一方で、
同じ仕事を何年も続ける
年収が上がらない
希望する案件へ移れない
新しいスキルを身につけられない
という状態を放置すると、将来のキャリア選択肢が狭くなる可能性があります。
だからこそ重要なのは、
SESに将来性があるか?
だけを考えることではありません。
「今の会社にあと3年いたとき、自分のスキル・年収・市場価値はどうなっているか?」を考えることが重要です。
現在の環境で成長できるなら、SESを続けることも選択肢です。
反対に、希望する経験を積めないのであれば、自社開発・SIer・社内SE・ITコンサル・フリーランスなど、別のキャリアも比較してみましょう。
会社の将来性だけでなく、自分自身の将来性を高められる環境を選ぶこと。
それがSESエンジニアのキャリアを考えるうえで大切なポイントです。